今年も何かと制限の多い夏となってしまいましたが、なるべく近場で少しだけ夏気分を味わってきました。そんな思い出のひとつ、長瀞での小さなひとコマがなんだか強く心に残りました。
長瀞の名物と言ってもいい天然氷のかき氷のお店でのこと、6歳の息子に何にする?と聞くと「コーラ!」、え?せっかくの天然氷のかき氷なんだからフルーツ系とかにしようよと誘導したけれどもやっぱり息子は「コーラ!」。内心もったいないなあなんて思っていましたが、息子がとても美味しそうに食べている姿を見て「コーラで良かった!」と心から思ったのと同時に、自分の嫌な親のエゴが見えた瞬間でもありました。あまりにも息子が美味しそうに食べるものですから私も少し分けてもらうと、それはそれは最高に美味しいコーラのかき氷でした。
話は変わりましてオリンピック。賛否両論ありましたが、とりあえず無事終了して良かったと思います。
オリンピックといえば私は「いだてん」というドラマがとても好きでした。
1964年の東京オリンピックに至るまでの歴史が事細かにリサーチされていて、実在の人物に少し架空の人物を交え、物語の随所に伏線を張って、それを見事に回収、感動もユーモアもある非常に良く出来たドラマで、宮藤官九郎、クドカンの最高傑作だと思います。 とにかく心打たれるシーンがあり過ぎてここでは書ききれないので、印象に残った回を二つだけ紹介したいと思います。
1912年、日本が初出場したストックホルム大会。金栗四三と三島弥彦、たった二人のオリンピック。短距離で日本では負け知らずの三島さんも世界では惨敗。マラソンの金栗さんは日射病で途中棄権。(しかしその55年後、金栗さんはストックホルムのスタジアムに招待されてゴールテープを切ります!)
二人とも結果は残せなかったけど、それは大きな大きな第一歩でした。先人の苦労のおかげで私たちは今を生きていることを実感します。
1928年、人見絹枝のアムステルダム大会も感動の回でした。
確かこれが初演技の菅原小春が人見絹枝を熱演。女性が運動をすることすら珍しい時代、専門の短距離で結果が残せず手ぶらで帰れぬと800メートルにも出場して死に物狂いで走り銀メダルを獲得。
帰国後、シベリアというお菓子を美味しそうにほおばるシーンが印象的で、その時初めてシベリアを知った私は後日、ドラマの人見さんの影響で初シベリアを美味しくいただきました。
このドラマでは「こんな時だからこそオリンピック!」という台詞がところどころで出てきます。クドカン、TOKYO 2020 に関して何かの予言をしていたの?と思ってしまいますが、考えてみれば人類はピンチの連続をくぐり抜けてきているわけです。
現在の国立競技場はかつて明治神宮外苑競技場といい、戦時中はそこで学徒出陣が行われ、多くの若者が戦場に向かいました。そのような場所で平和の祭典が行われることは意義深いことですし、世界中が平和であって欲しいと心から思います。