先月に続き春休みのお話です。
以前、映像で目にしたことがありずっと気になっていた自動演奏楽器が奏でる音を一度体感したくて、それらの楽器を多く所蔵している、河口湖の「音楽と森の美術館」に行ってきました。こちらの目玉は世界最大級のダンスオルガン(1920年頃ベルギー製)と言っていいと思います。大きさは、高さ5mで幅13m。この美術館を作った方がヨーロッパで探し出し、長い時間を掛けて修理をしてもらい日本に運んできたものだそうで、まずその熱意に恐れ入りました。演奏はというと正直、機械っぽさはありますが、100年前によくこれ程のものを作ったなという驚きと、約800本あるというパイプが奏でる大音量の驚きがあり、目をつむるとまるで楽団がすぐそばにいるかのようで、音色も美しくとても感動的でした。
他にも珍しくて貴重そうな自動演奏の楽器がたくさんありましたが、中でも聴いてみたかった自動バイオリン(1918年ドイツ製)の演奏が聴けたのが大きな収穫でした。バイオリン三挺が上下逆さに演奏機械の中に配されているのですが、それぞれのバイオリンは一弦ずつ音を担当し、三挺で三弦分の音を作っているそうで、その仕組みがとても興味深かったです。(*本来バイオリンは四弦)
ダンスオルガンのホールと、毎回、違う楽器の演奏を聴かせてくれるコンサートホールを行ったり来たりして何曲も異なる演奏を満喫し、時間が許すなら一日中居たいぐらいでした。
コレクションも秀逸で、「自動演奏楽器博物館」とかお堅い名前の方が合っているのではないかと思ってしまうほどなのですが、おそらく私立で観光地ということを踏まえると、今ぐらいの名前がちょうど良いのかな?と余計なことを考えてしまいました。
自動演奏楽器については写真が無いとなかなか説明しづらいにもかかわらず、撮っていたのは気付いたら子どもの写真ばかりで、楽器の写真がほとんどありませんでした。そんなわけで今月の写真は秩父、羊山公園で撮った桜です。